《政界スキャン》
鳩山の「米軍有事駐留論」
2010年2月号
この国の経済をどうするか、安全保障をどうするか、が深刻に問われている時に、国会の正常な論議を阻んでいるのは、鳩山由紀夫首相と小沢一郎民主党幹事長にからむ「政治とカネ」の疑惑が立ちはだかっているからだ。小沢が記者会見で潔白宣言をしようとも、政治停滞の責任は重大である。
「鳩山と小沢ではカネの性格が違う」
という主張も一理あるが、国会本来の機能を果たせなくさせている点では、二人は同罪だ。
とはいえ、議論のきっかけがないわけではない。一月二十二日の衆院予算委員会で自民党の小池百合子元防衛相は、今年が一九六〇年の日米安保条約改定から五十年の節目の年であることを指摘したうえで、閣僚席に向かい、
「前原さん(誠司国土交通相・六二年四月生まれ)と長妻さん(昭厚生労働相・六〇年六月生まれ)はまだ生まれていませんね」
と笑いを誘った。さらに、赤松広隆農林水産相、仙谷由人行政刷新・国家戦略担当相、鳩山首相の順で、
「六〇年安保のころ、何をしていたか」
と問うたが、当時、赤松十二歳、仙・・・