小沢も陥った「絶対権力三年説」
活路は「政界再編」のみ
2010年2月号
一月二十三日、民主党幹事長小沢一郎は自身の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題をめぐり、東京地検特捜部の事情聴取を受けた。小沢は民主党大会で「自らの信念を通し、(検察と)戦っていく決意だ」と傲然と胸を張ってからわずか一週間。権力の絶頂から、一転して外部と遮断されたホテルニューオータニの一室で特捜検事と向き合う境遇に追い込まれた。
小沢は聴取後の記者会見で四億円の土地取引をめぐる疑惑を「事実無根」と潔白を強調した。黙秘権を告げられた上での「容疑者」としての事情聴取は、元秘書ら三人の逮捕と併せて、小沢がグレーゾーンの立場に身を置いていることを浮き彫りにした。
なぜ小沢をめぐってはカネにまつわる問題が後を絶たないのか。小沢の政治力はカネを抜きには語れないからである。おそらく元首相田中角栄の薫陶を受けて以来、小沢は「カネが権力を生み、権力がカネを生む」ことを目の当たりにしてきたに違いない。
政治には一般人の想像を超えるカネが必要となる。とりわけ選挙には個人では賄いきれないほどの巨額の資金がいる。その調達力が権力掌握の唯一、絶対の道と小沢は確信していた・・・