危うさ増す「日中関係」
日米同盟を揺るがせた「罰」
2010年2月号
「いや、まったく大変な目にあった」。昨年十二月、中国共産党の対外交流部門のトップである王家瑞中央対外連絡部長は思わず周辺に漏らした。民主党の小沢一郎幹事長率いる、国会議員百四十余人を含む総勢六百人超の代表団が訪中(十~十三日)を終えた直後のことだ。
これほど大規模な代表団は前例がなく、受け入れ態勢をつくるだけでも一大事だった。王部長がこぼしたのは、そのことではない。代表団に加わった国会議員全員と胡錦濤国家主席が個別に握手するツーショット写真を、との小沢氏側の要求に振り回されたことに対してだった。
この異例の要求に胡主席事務所は、強い難色を示した。中国の国家元首が百数十人もの議員とツーショットしたことが伝われば、国内でどんな批判が起こるかわからない。王部長は主席事務所の「拒否」を伝えたが、小沢氏は「それなら訪中しない」と引き下がらなかったという。
関係筋によると、王部長は主席事務所と折衝を重ねた末、最後は胡主席に直接連絡し、同意を取り付けた。ツーショットの件は国内では報道しない条件だった。胡主席が要求に同意したのは「鳩山由紀夫政権の取り込みに小沢・・・