ショパン「生誕二百年」の聴きどころ
ファン「垂涎」のコンサート案内
2010年1月号
二〇一〇年、世界のクラシック音楽界はショパン一色となる。同じく生誕二百年を迎えるシューマンと比べても、その数は圧倒的だ。それだけショパン作品は世界中で愛されているのだろう。
まずメモリアル・イヤーだけに、ショパンの心臓が安置されている故郷ポーランドに足を運ばなければいけない。ポーランドへの想いこそ、ショパンの創作すべての源であり、発露なのだから……。
そのポーランド国立ショパン・インスティトゥートの主催によって、壮大なプロジェクトが三つ開催される。
「異彩」ポゴレリチの登場
第一は、二月下旬にワルシャワ・フィルハーモニーホールを主な舞台に催される「ショパン生誕二百年記念スペシャル・コンサート」。この出演者の顔ぶれが実に心憎い。ポーランドでは現在、ショパンの新たな校訂譜の編纂が進行中である。これは、ショパン亡き後、いつの間にか肥大化してしまったショパン演奏を原点に戻すべく、国家威信をかけて取り組んでいる大事業だが、同時にあまりに華麗で虚飾的な・・・