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経済

中東石油の「中国シフト」進む

地盤沈下止まぬ日本の存在感

2010年1月号

 世界第二位の原油輸入国として国際石油市場で大きな地位を占めてきた日本の地盤沈下が止まらない。日本は、石油の消費量でも高度経済成長期以降、米国の日量二千万バレルに次ぐ日量五百万バレルという大口消費国として中東産油国にも大きな影響力を持ってきた。第一次オイルショック時の一九七四年に、親イスラエル国に石油禁輸という強硬政策を実施した石油輸出国機構(OPEC)諸国が日本とは親密な関係を続けたのも、言うまでもなく、日本がアジア最大の原油輸入国であるという上得意だったからだ。
 今でも、世界最大の産油国サウジアラビアからは日量百十六万バレルという大量の原油が輸入されており、これにアラブ首長国連邦(UAE)、イランを加えた三カ国だけで日本の原油輸入量の六割以上になる。OPECが米国との関係をどんなにギクシャクさせても、その同盟国の日本がサウジやイランと良好な関係を続けられるのは、日本が引き続き、中東産油国にとって最大の優良顧客であるためだ。ところが、そうした「優越的な地位」も今年中には中国に先を越され、日本が陥落するという事態が迫っている。

原油の国家備蓄に本腰

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