深まる米中関係と日本
衰退への道あるのみ
2010年1月号特別リポート
身の程知らずと切り捨てるしか方法はない。米国の対中関与(en-gagement)政策がどれだけ進展したかなどは無頓着に、「日本は米中間の架け橋になりたい」などと日本の首相が国連で演説すれば、外国の政治家は顔を赤らめるだろうし、米国人は笑い出すだろう。リチャード・ニクソン大統領が開始した、中国に国際社会と関わりを持たせようとの政策は三十八年経った現在、米国に次ぐ世界第二の軍事大国であると同時に一国の国内総生産(GDP)でこれまた日本を抜く経済大国をつくり上げた。
十九世紀末にスペインを破って一躍世界の大国に躍り出た米国の実力を認めたのは最盛期にあった大英帝国だった。英国はこのあと衰退するが、米国は以後百年余にわたって大国から超大国の地位にのし上がった。その米国が中国をパートナーとして北朝鮮やイランなどへの核拡散を防止し、国際テロと戦い、地球温暖化を防ごうと共闘しているのである。すでに大国間のパワー・ゲームから離脱した日本が米中間の仲をいかなる理由で、どのように取りもとうというのか。
米中両国とは軍事力の点で決定的に劣る日本が、民主党の小沢一郎幹事長の目指す・・・