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WORLD

米国「同盟放棄」の衝動

突き放される欧州と東アジア

2025年4月号特別リポート

 ドナルド・トランプ米大統領の再来で、世界の安全保障情勢が激変期を迎えた。トランプ政権は、世界の安全保障への関与を第2次世界大戦後では最低の水準にまで減らす方針で、北大西洋条約機構(NATO)を軸とした米欧同盟は機能不全に向かう。ウクライナでの「停戦」をめぐっては、西欧諸国抜きに単独で対露交渉を進めている。
 中国との対決を抱える東アジア・太平洋地域でも同様に、日本や韓国、台湾は防衛面での「自助独力」を大幅に増やすよう求められる。米国の防衛産業への投資など、産業経済への貢献が必須になるだろう。
 トランプ政権が東アジアと欧州で、実質的な「同盟放棄」に向かう中で、米国が海外で提供する防衛協力は、「米政府に友好的な国々」を最優先することになる。「米国第一」政策がいよいよ同盟諸国の安全保障領域に入ってきた格好だ。これまでの「集団安全保障」による防衛態勢は重大な転機を迎えた。

猛烈な勢いで進む「米欧切り離し」

 欧州連合(EU)の安保チームは、こんな事態を全く予測しなかった。今年2月末、緊急協議の・・・

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