皇室の風 第199話
若き親王の端然たる登壇
岩井克己
2025年4月号
悠仁親王の成年会見には驚いた。
幼少期から、積み木を積む手さばきやトンボの羽を優しくつまむ細やかな指先に気付き、その空間識能力に強い印象を受け、長年にわたって断片的な少ない消息にも健やかな成長ぶりを想像してきた。
そして初めて聞いた肉声。けれんみなく、余分な修飾もユーモアも控えた初々しい語り口だったが、無駄なく緻密に構築された素直な言葉に、理知的な資質と見識、地に足のついた主体性がにじむ。
SNSや一部メディアによる執拗な秋篠宮家たたきが目に余っているだけに、若い本人の心を傷つけ翳りを落としていないかとも心配していたが、端然と王道を歩むかのようなさまに安堵する思いだった。
長年の皇室取材で、ひときわ明るい気持ちになった思い出は、若い皇族の学問への熱意を知ったときに感じた頼もしさだった。皇室を担う彼らにとっても、国民の側にとっても、真実への高貴な志は最も大切なものだと感じるからだ。
某日、若き秋篠宮と立ち話のような形で言葉を交わした機会に、ふと尋ねたことがある。
「ナマズやニワトリなどの動物と人間との関わりに関心があ・・・
幼少期から、積み木を積む手さばきやトンボの羽を優しくつまむ細やかな指先に気付き、その空間識能力に強い印象を受け、長年にわたって断片的な少ない消息にも健やかな成長ぶりを想像してきた。
そして初めて聞いた肉声。けれんみなく、余分な修飾もユーモアも控えた初々しい語り口だったが、無駄なく緻密に構築された素直な言葉に、理知的な資質と見識、地に足のついた主体性がにじむ。
SNSや一部メディアによる執拗な秋篠宮家たたきが目に余っているだけに、若い本人の心を傷つけ翳りを落としていないかとも心配していたが、端然と王道を歩むかのようなさまに安堵する思いだった。
長年の皇室取材で、ひときわ明るい気持ちになった思い出は、若い皇族の学問への熱意を知ったときに感じた頼もしさだった。皇室を担う彼らにとっても、国民の側にとっても、真実への高貴な志は最も大切なものだと感じるからだ。
某日、若き秋篠宮と立ち話のような形で言葉を交わした機会に、ふと尋ねたことがある。
「ナマズやニワトリなどの動物と人間との関わりに関心があ・・・