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経済

《企業研究》スズキ

カリスマ没後の暗い未来図

2025年4月号

 一体どれくらいの知人・友人や政官財界人らが参列し、どんな思い出話やエピソードが語られるのか。4月8日に東京・赤坂のホテルニューオータニ、同14日に浜松市のグランドホテル浜松でいずれも午後2時から行われる「お別れの会」。
“主役”を演じるのは40年超にわたって自動車大手、スズキのトップに君臨した鈴木修氏。悪性リンパ腫で昨年暮れ、94歳で亡くなった。病気が見つかったのは同9月頃。関係者によると「もう治療はいい」と覚悟を決めての死出だったらしい。
 創業者から数えて4代目として社長に就任した1978年当時のスズキの年商は2715億円(単体ベース)。それを2006年度で10倍超の3兆円(連結)規模に引き上げた。「中興の祖」と奉られる所以だが、評価は割れる。「2代目、3代目社長に重用された社員を冷遇するなど人事で社内を支配。行き過ぎたケチケチ経営のツケで晩年には検査不正など不祥事が頻発。浜松市政や静岡県政など政治への過剰介入で行政を歪めた」(スズキ幹部OB)とされているからだ。
 修氏は15年、兼務していた社長のイスを長男の俊宏氏に譲り、会・・・

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