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レバノンはまた「内戦」となるか

米国「ヒズボラ潰し」の前途多難

2025年4月号

 中東の不安定国家レバノンをどう立て直すかをめぐる議論が活発化している。焦点は、イスラエルとの戦闘で弱体化したイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの武装解除だ。中東の非国家組織として最強を誇る軍事部門が解体されれば、中東の戦略的な構図は激変する。その動きに深く関わっているのはやはり米国のトランプ政権だ。
 レバノン情勢をめぐり、トランプ米大統領がアラブ・中東問題の上級顧問に選んだある人物の動向に注目が集まっている。レバノン出身のビジネスマン、マサド・ブーロス氏。ギリシャ正教系のキリスト教徒でトランプ氏の次女ティファニー氏の義父にあたる。10代で米国に移住した実業家で、大統領選では、アラブ系のコミュニティーがある激戦区ミシガン州で、バイデン前政権の対イスラエル政策に不満を持つアラブ系住民やイスラム教徒らにトランプ氏支持を呼びかけ、同州での僅差の勝利につながった。
 一族には政治家が多く、特にレバノンのキリスト教系エリートとのつながりが深いといわれる。パレスチナ自治政府のアッバス議長とも親交があり、トランプ氏との関係を取り持った。
 長女イヴァンカ氏の夫で、トラ・・・

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