三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

連載

新大学評判記 第64話

昭和女子大学 他大も羨む「高就職率」の秘訣

2025年4月号

 女子大学・短大の閉校、募集停止、共学化などのニュースが相次いでいる。「女子大終焉説」も深まる中で、定員割れを起こさず、偏差値を引き上げ、卒業生の評価も高めているのが昭和女子大学だ。ブランド力では津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学の「御三家」に劣り、「お嬢様力」では聖心女子大学にはかなわない。だが、偏差値や学生の満足度、就職率は高く、「実践的人材を生み出す点では女子大随一」との評価がある。背景にあるのは実務家教員の活用、「社会人メンター制度」や米テンプル大学日本校とのキャンパス共有など大胆でしたたかなサバイバル戦略がある。
 東京・三軒茶屋。かつては戦後の闇市から発展した低級な飲み屋街で知られていたが、この10年でおしゃれな和食、フレンチ、イタリアンなどの店が続々出店し、若者を惹き付ける“サンチャ”に生まれ変わった。
 三軒茶屋の変身に大きな影響を与えたのはこの地(世田谷区太子堂)にキャンパスを置き、幼稚園から小中高、大学院までの一貫教育で、合わせて9千人もの生徒・学生を抱える昭和女子大。
 伝統的に「しっかりしたお嬢さん」を育・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます