住友商事「商社ドン尻」は末永く
兵頭体制で腐った「人事と社風」
2025年4月号
新年度を迎え、住友商事の少なからぬ幹部の間には強い危機感が渦巻く。
「2期連続の最下位も否めない。そのときは時価総額も突き放されるだろう」
妖魔のプロジェクト「アンバトビー」―。住商は2023年度、マダガスカルの世界最大級のニッケル開発事業に890億円の減損損失を計上、連結純利益を丸紅に抜かれ、5大商社の最下位に甘んじた。同事業の減損累計は1兆円に近く、すでに簿価はゼロ。社長の上野真吾は「売却も視野」として債務整理を進める一方、トラブル続きの操業の安定を図ってきた。
ところが、昨年9月、パイプラインが破損し、液状のニッケル鉱石が工場敷地外へ流出する事故が発生したのだ。売却どころか、またしても追加損失を余儀なくされる事態である。
住商の24年度純利益は5600億円の計画。丸紅のそれは5000億円だが、損失バッファー300億円が含まれ、上振れ余地がある。追加損失次第では再び丸紅の後塵を拝しかねない。
5大商社の中で唯一PBR(株価純資産倍率)1倍割れの住商の時価総額は4・4兆円に伸び悩み、すでに丸紅(4・2兆円)と拮抗しているのだ・・・
「2期連続の最下位も否めない。そのときは時価総額も突き放されるだろう」
妖魔のプロジェクト「アンバトビー」―。住商は2023年度、マダガスカルの世界最大級のニッケル開発事業に890億円の減損損失を計上、連結純利益を丸紅に抜かれ、5大商社の最下位に甘んじた。同事業の減損累計は1兆円に近く、すでに簿価はゼロ。社長の上野真吾は「売却も視野」として債務整理を進める一方、トラブル続きの操業の安定を図ってきた。
ところが、昨年9月、パイプラインが破損し、液状のニッケル鉱石が工場敷地外へ流出する事故が発生したのだ。売却どころか、またしても追加損失を余儀なくされる事態である。
住商の24年度純利益は5600億円の計画。丸紅のそれは5000億円だが、損失バッファー300億円が含まれ、上振れ余地がある。追加損失次第では再び丸紅の後塵を拝しかねない。
5大商社の中で唯一PBR(株価純資産倍率)1倍割れの住商の時価総額は4・4兆円に伸び悩み、すでに丸紅(4・2兆円)と拮抗しているのだ・・・