憲法改正「発議」の現実味
立憲・枝野が「主導」与野党の攻防
2025年4月号
関所の通過に必要な蓄えがある時は門が閉ざされ、突破を躊躇して蓄えが足りなくなると別の門が開く。そこを行けば関所は越えられても、目指した道とは違う―。2026年で公布から80年となる日本国憲法の改正へと続く関所では、24年の総選挙を受けて就任した新たな関守の仕掛けで改憲、護憲両陣営の矛盾が炙り出され、攻防はかつてない様相を呈している。
3月13日、25年の通常国会初の衆議院憲法審査会で、衆議院法制局が「緊急事態条項(国会機能維持)の主な論点(イメージ)」と題する資料を配布した。自由民主党が最優先に掲げる緊急時の議員任期延長は「①選挙困難事態の立法事実」「②参議院の緊急集会の射程」の2つの論点に分かれ、並列して「オンライン国会」「③臨時会召集期限」「④解散権制限」が記されている。丸数字は、当面の議論の順序を示したものだ。
憲法審査会長には、24年総選挙での自民、公明両党の過半数割れを受け、野党から初めて立憲民主党の元代表・枝野幸男が就いた。枝野は会長代理に自民党から、同じ「中山太郎門下生」の船田元を指名した。
外務大臣などを歴任した中山は憲法審査会の前・・・
3月13日、25年の通常国会初の衆議院憲法審査会で、衆議院法制局が「緊急事態条項(国会機能維持)の主な論点(イメージ)」と題する資料を配布した。自由民主党が最優先に掲げる緊急時の議員任期延長は「①選挙困難事態の立法事実」「②参議院の緊急集会の射程」の2つの論点に分かれ、並列して「オンライン国会」「③臨時会召集期限」「④解散権制限」が記されている。丸数字は、当面の議論の順序を示したものだ。
憲法審査会長には、24年総選挙での自民、公明両党の過半数割れを受け、野党から初めて立憲民主党の元代表・枝野幸男が就いた。枝野は会長代理に自民党から、同じ「中山太郎門下生」の船田元を指名した。
外務大臣などを歴任した中山は憲法審査会の前・・・