世界の「お手本」でなくなった米国
ブルース・アロンソン(米国アジア法研究所上級顧問)
2025年3月号
―USスチール買収阻止は衝撃的でしたが、日本企業は対米投資を続けるべきでしょうか。
アロンソン 米国と日本ではこの問題について捉え方に温度差がある。米国では、全米鉄鋼労働組合(USW)のマッコール会長の強い個人的見解が主な原因で起きた特殊な事例と認識されている。これによって、日本企業が米国の労働組合が絡む企業買収を恐れるのであれば、あまりに皮肉なことだ。これは、米国の政策や日本との経済関係に長期的な影響を与えるものではない。日本企業にとって、米国は依然として外国直接投資で魅力ある市場であり、引き続き投資を続けることへの支障にならないだろう。
―今後も日米間の外交問題になる可能性はありますか。
アロンソン 本来は企業間の問題であるべきだが、安全保障的側面から承認できるか否かの審査過程で米国の政治問題化してしまった。米国の専門家らは、日本製鉄とUSスチールの合併には国家安全保障上の懸念は全くないということで一致しているようだ。仮に安全保障上のリスクがあったとしても、通常は投資家との協調的な方法で解決できるはずだ。しか・・・
アロンソン 米国と日本ではこの問題について捉え方に温度差がある。米国では、全米鉄鋼労働組合(USW)のマッコール会長の強い個人的見解が主な原因で起きた特殊な事例と認識されている。これによって、日本企業が米国の労働組合が絡む企業買収を恐れるのであれば、あまりに皮肉なことだ。これは、米国の政策や日本との経済関係に長期的な影響を与えるものではない。日本企業にとって、米国は依然として外国直接投資で魅力ある市場であり、引き続き投資を続けることへの支障にならないだろう。
―今後も日米間の外交問題になる可能性はありますか。
アロンソン 本来は企業間の問題であるべきだが、安全保障的側面から承認できるか否かの審査過程で米国の政治問題化してしまった。米国の専門家らは、日本製鉄とUSスチールの合併には国家安全保障上の懸念は全くないということで一致しているようだ。仮に安全保障上のリスクがあったとしても、通常は投資家との協調的な方法で解決できるはずだ。しか・・・