米国が壊す「世界地図」
同盟国も容赦せぬ「力の支配」の時代
2025年3月号特別リポート
米国のドナルド・トランプ大統領が、世界政治の旧来の構図を猛烈な勢いで壊している。一期目(2017~21年)の場当たり的な安全保障・外交政策とは異なり、ライバルである中国に対して、体系だった地政学的抗争や貿易戦争を挑んでいる。
ウクライナ侵攻で「世界の悪役」になったロシアのウラジーミル・プーチン大統領とは和解し、習近平総書記率いる中国共産党の力を削ごうという戦略だ。
背景にあるのはトランプ政権の極端な「一国主義」と「ビジネス最優先」の方針だ。ウクライナからは早速、レアアースなど鉱物資源での莫大な権益譲渡を引き出した。米軍の駐留を含め、あらゆる支援は「見返り次第」であることを、世界中の同盟国に示した。
北大西洋条約機構(NATO)や日本と韓国などアジアの同盟網は、米国の実益にならない限り無視される。石破茂首相は2月の訪米で、新政権と「無難なスタート」を切ったと自負するものの、トランプ政権の一国主義・孤立主義は、政権の陣容が整うこれからが本番を迎える。
地球の「チョークポイント」への欲求
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ウクライナ侵攻で「世界の悪役」になったロシアのウラジーミル・プーチン大統領とは和解し、習近平総書記率いる中国共産党の力を削ごうという戦略だ。
背景にあるのはトランプ政権の極端な「一国主義」と「ビジネス最優先」の方針だ。ウクライナからは早速、レアアースなど鉱物資源での莫大な権益譲渡を引き出した。米軍の駐留を含め、あらゆる支援は「見返り次第」であることを、世界中の同盟国に示した。
北大西洋条約機構(NATO)や日本と韓国などアジアの同盟網は、米国の実益にならない限り無視される。石破茂首相は2月の訪米で、新政権と「無難なスタート」を切ったと自負するものの、トランプ政権の一国主義・孤立主義は、政権の陣容が整うこれからが本番を迎える。
地球の「チョークポイント」への欲求
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