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社会・文化

オンラインカジノ「摘発」の不毛

「合法化」が世界の潮流

2025年3月号

 警察官、お笑い芸人、東京五輪代表選手……。オンラインカジノにのめり込んだ著名人らが捜査当局の摘発や取り調べを受けたというニュースが流れている。まるで重罪犯かのようだ。
 現実に目を向ければ、オンラインカジノの国内市場は二〇二三年に七十七億ドル(約一兆二千億円)に達している。これは合法ギャンブルの競輪(約一兆一千八百九十二億円)に匹敵する規模だ。利用者は三百四十六万人ともいわれ、海外から押し寄せたオンラインカジノの波は、いまや市井の人々をも呑み込んでいる。政府の対策や取り締まりで、これを止められるという考えは幻想だ。
 大阪市の人工島・夢洲では三〇年のカジノ開業を目指し、統合型リゾート(IR)計画が着実に進んでいる。カジノを合法とし、競馬や競輪などのオンライン投票を認めている国で、「オンラインのカジノは違法」という論理自体がすでに破綻している。合法化はもはや、避けられない。

海外業者の容赦なき攻勢

 我が国のオンラインギャンブルの歴史は一九九五年十一月、英国の中・・・

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