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社会・文化

大阪万博「大失敗」にまっしぐら

巨額赤字を埋めるのは「国民の血税」

2025年3月号

 思わず漏れた本音、ということなのか。
「この万博は非常にコスパが悪い。めっちゃお金をかけるか、スケールダウンをしたものを受け入れるかという状態に、たぶん現場はなっている」。二〇二五年大阪・関西万博の開幕まで約二カ月に迫った二月六日、万博テーマ事業プロデューサーの一人で、メディアアーティスト・落合陽一が関西財界セミナーでこう発言した。
 下請けが何重にも及び、費用がかさんでいく建築業界の構図を述べただけとも言えるが、発言がメディアに取り上げられると、自身のSNSでメディアに「切り取られた」と釈明。しかし、「今更気づいたのか」などと突っ込みが相次いだ。
 落合が指摘するまでもなく、四月十三日に開幕する関西万博は盛り上がりに欠けている。
 二月十五、十六日に毎日新聞が実施した世論調査で、関西万博に「行きたいと思う」は一六%にとどまり、「行きたいとは思わない」が六七%に上った。半年ごとに三菱総合研究所が行う意向調査では昨年十月、来場意向者は二四%で、半年前より三ポイント下がった。同所の調査では、二年前と比べ、認知度は上がる一方、来場意向者は減るという結・・・

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