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連載

新大学評判記 第63話

琉球大学 教員職を巡る「贈収賄疑惑」の衝撃

2025年3月号

 国立大学法人琉球大学の教授を務めていた五十代男性が、教授会で非常勤講師として特定の人物を推薦する見返りに多額の現金を受領した疑いが浮上している。昨年十月に第一報が報じられ、今も沖縄県警捜査二課による捜査が続いており、立件の可能性が高まる中、同大学内は緊迫した状況にある。
 経緯を遡ると、二〇二四年の春、外部からの指摘を受けた琉球大が調査に乗り出し、文部科学省へ報告。同年夏には捜査二課の内偵が始まったとされる。男性教授は報道が出る直前の同年九月に辞職した。代理人弁護士など周囲には「研究目的として寄付を受け取ったが、私的に使ったことはない。不正はしていない」と疑いを否定しているという。国立大の教授は「みなし公務員」に当たり、仮に講師推薦の対価として寄付を受けたならば収賄罪に問われる可能性がある。
 問題とされたのは、学内推薦の見返りとも受け取れるSNSでのやり取りだ。腸内の健康を保つ「腸活」ビジネスで知られる女性が、東京に本社を置くコンサルティング会社の男性役員から「数百万円支払えば非常勤講師になれる」などと誘われ、「ブランディング料」を名目に約三百四十万円をコンサル・・・

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