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経済

ニデック永守「自滅」への焦燥

「強引M&A」に走った真因

2025年3月号

 まさに「敵対的買収」だ。ニデックが大手工作機械メーカーである牧野フライス製作所に仕掛けた株式公開買い付け(TOB)。事前の協議も同意もなく、二〇二四年の年末に突然、TOBによる買収提案を表明した。完全子会社としてニデックの軍門に下ることを嫌った牧野フライスは、当然ながら反発。質問状の送付を繰り返すことで、ニデックが要望する経営陣との面談をかたくなに拒んできた。三月上旬になってようやく面談する予定だ。

自業自得の「成長鈍化」

 ニデックは二三年、旋盤メーカーのTAKISAWAを相手に同意なきTOBを実現させた。この時、ニデックは「乗っ取り屋」と見られることを恐れていた。だが、蓋を開けてみると世間にそうした見方は少なかった。これに味を占めたニデックが工作機械事業を手っ取り早く大きくするために、牧野フライスに照準を合わせたというわけだ。
 直後に牧野フライスの株価は急騰し、ニデックが提示した買い付け価格である一万一千円を超えた。世間も好反応かと思いきや、工作機械業界はその強引なやり方を疑問視あるいは白眼・・・

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