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経済

トヨタ章男も「日産買収」で秋波

破談後「オファー」続々の不思議

2025年3月号

 ホンダとの経営統合が破談になった日産自動車。車が売れず深刻な経営危機に陥り「単独で生き残るのは無理だろう」(日産OB)という見方で衆目は一致する。だが捨てる神あれば拾う神あり。ホンダと破談後、次の買収オファーが殺到するという摩訶不思議な事態になっている。
「ホンダの完全子会社になると自主性が損なわれ、日産の強みを最大限に発揮できない懸念がある」。日産の内田誠社長は二月十三日の記者会見で、ホンダとの経営統合に断りを入れた理由をこう述べた。当初は持ち株会社にホンダと日産がぶらさがる横並びの形態で、外形的にはホンダと日産が対等の関係だった。しかし途中からホンダが持ち株会社方式ではなく明確な上下関係となる買収提案に切り替えたため、受け入れられなくなったという。
 そもそも時価総額に五倍もの開きがあるうえ、二〇二五年三月期の最終損益予想を八百億円の赤字に下方修正した日産が、九千五百億円の黒字予想のホンダと対等であろうとすることが非常識の極み。両者の利益予想には一兆円以上の差があるのだ。これで対等の関係を繕おうものなら、それこそ悪平等というものだろう。
 しかも日産・・・

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