三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

政治

《罪深きは この官僚》森光敬子(厚生労働省医政局長)

開業医利権「永続化予算」を主導

2025年3月号

 医政局長は、厚生労働省の医系技官が就くポストの中で、次官級の医務技監に次ぐ地位だ。そんな医系技官ナンバー2に昨年七月就いたのが森光敬子だ。この人事こそ、厚労省が抱える病巣を象徴している。
 二〇二五年度予算案で、医政局が抱える最大の課題は医師偏在対策だ。「医師の地域間・診療科間偏在の解消など医師偏在対策等の推進」として約百二十三億九千万円が計上されている。今年度予算でも、同じ名目で計上されているが、九億円に過ぎない。
 今回の予算案のうち、約八割を占める百一億六千百万円は、「重点医師偏在対策支援区域(仮称)における診療所の承継・開業支援事業」に充てられる。つまり、地方の開業医への財政支援だ。
 昨年八月、日本医師会が、医師不足地域での開業支援などのために、総額一千億円規模の基金の設立を求めたことに応えた。日医の事務局長を務める宮嵜雅則は、健康局長を務めた慶應義塾大学医学部卒の元医系技官である。
 医政局は並行して、都市部などでの新規開業規制も推し進めているが、これも筋が悪い。厚労省関係者は、「医師の基本的人権を侵害し、憲法違反の可能性があるし、・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます