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政治

維新「連立与党入り」の本性

「壊し屋」前原は党を割るか

2025年3月号

 新執行部に代替わりしてわずか三カ月で、日本維新の会が、分裂の危機に瀕している。
 危機の前触れは、二〇二五年度予算案への対応だった。維新が主張していた高校授業料の無償化を自民党側が受け入れたことを理由に予算案への賛成に舵を切った共同代表・前原誠司ら党執行部に対し、維新の「与党化」に反対する前執行部派が激しく反発。すったもんだの末、最終決着は二月二十五日にずれこんだ。
 維新執行部と距離を置く議員の一人は「いろいろと言いたいことはあるが、曲がりなりにも要求が通ったのだから予算案賛成はやむを得ない」と語るが、達成感は極めて乏しい。
 参院選が七月に迫っているにもかかわらず、各種世論調査による政党支持率は、国民民主党に人気を奪われ、二~三%と低迷したままだからだ。二年前の統一地方選挙で躍進し、「野党第一党を目指す」と、当時の代表・馬場伸幸が豪語していたのが嘘のような凋落ぶりである。馬場ら前執行部が目標とした近未来の「維新中心の政権」樹立は夢のまた夢。
 昨年の衆院選で敗北した責任をとって退陣した馬場を支持するグループは、「前原は、予算案賛成を手土産に・・・

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