コメ騒動の正体は「官製食糧危機」
農水省の度し難き「保身と怠慢」
2025年3月号
米価の高騰に歯止めがかからず、農林水産省は政府備蓄米の放出に追い込まれた。「流通の円滑化が狙い」(江藤拓農相)と説明しているが、実態は集荷に出遅れて供給責任を果たせなくなった農業協同組合(JA)の救済策だ。この事態に至った根本的な要因は、同省の保身と怠慢だ。今回のような場当たり的な対応が繰り返されれば、コメ以外の農産物も含めた「官製食糧危機」が繰り返されるだろう。
「悪徳商人投機説」という嘘
コメの在庫水準の低下が目立ち始めた昨年初夏以降、農水省が犯した失策の中で最も罪深いのは、「消えた二十一万トン」という虚構だ。現物で取引されるコメが水のように蒸発して消えるわけがない。同省は失政の責任を隠蔽するため、「生産量が増えたのに集荷量がスタック(滞留)し、これまで取引がなかったような人が農家に買いにきている」と、転売狙いの買い漁り、売り惜しみを主因として指摘し、多くのメディアがこの「仮説」に盲従した。農水省があざといのは、「示唆」しただけで、実態を調査しないことだ。何の対応もとらずに無為無策で米価の高騰を傍観し・・・
「悪徳商人投機説」という嘘
コメの在庫水準の低下が目立ち始めた昨年初夏以降、農水省が犯した失策の中で最も罪深いのは、「消えた二十一万トン」という虚構だ。現物で取引されるコメが水のように蒸発して消えるわけがない。同省は失政の責任を隠蔽するため、「生産量が増えたのに集荷量がスタック(滞留)し、これまで取引がなかったような人が農家に買いにきている」と、転売狙いの買い漁り、売り惜しみを主因として指摘し、多くのメディアがこの「仮説」に盲従した。農水省があざといのは、「示唆」しただけで、実態を調査しないことだ。何の対応もとらずに無為無策で米価の高騰を傍観し・・・