首相側近の研究
史上稀なる小物「赤沢亮正」の限界
2025年3月号
二月十六日付朝日新聞四面のほぼ一ページを埋めた記事に、霞が関で慨嘆と諦めが広がった。「石破首相と20年 冷や飯も共に 赤沢亮正氏とは」の見出しで、赤沢経済再生相の来歴や人となりを詳しく報じている。奇異な読後感は、政権の新実力者だから取り上げたのではなく、貫禄不足なのに実力者風なのはなぜか、という半端なテーマの割に、記事が大きすぎたせいだろう。
「(石破氏は)たばこと赤沢はやめられないんだ」。赤沢氏の尊大なせりふが紹介され、「最側近 振る舞いに懸念も」の小見出しには、軽いヤユも混じっている。赤沢氏は内閣府の大臣室の他に、首相官邸に専用の執務室を構える。財務・外務・経済産業省の審議官級が「秘書官」並みに専属。毎週会議を開いて宿題を出し、政策を提言させる。「第二官房長官」のような存在は、いや応なく林芳正官房長官の正規の行政ラインとダブるので、役所は手間を取られるだけでなく、棲み分けがこじれると面倒だ。ただし林氏は、それが首相の好みならやらせておけばと知らぬ顔の半兵衛を決め込む。
赤沢氏の躍動は政府内に収まらない。昨年の衆院選では「首相の目となり耳となる」とばかりに自民・・・
「(石破氏は)たばこと赤沢はやめられないんだ」。赤沢氏の尊大なせりふが紹介され、「最側近 振る舞いに懸念も」の小見出しには、軽いヤユも混じっている。赤沢氏は内閣府の大臣室の他に、首相官邸に専用の執務室を構える。財務・外務・経済産業省の審議官級が「秘書官」並みに専属。毎週会議を開いて宿題を出し、政策を提言させる。「第二官房長官」のような存在は、いや応なく林芳正官房長官の正規の行政ラインとダブるので、役所は手間を取られるだけでなく、棲み分けがこじれると面倒だ。ただし林氏は、それが首相の好みならやらせておけばと知らぬ顔の半兵衛を決め込む。
赤沢氏の躍動は政府内に収まらない。昨年の衆院選では「首相の目となり耳となる」とばかりに自民・・・