習近平『中国製造2025』の挫折
米国の包囲網突破を狙う「次の手」
2025年3月号
中国政府が二〇一五年に打ち出した「中国製造2025」は習近平政権がグローバル産業覇権を狙う野心的な計画として米欧日などの警戒をかき立てた。今年はその目標年となるが、中国の製造業は一九七八年末に「改革開放」政策が宣言されて以来、最大の危機に直面している。米国主導の先端技術封鎖、関税など輸入規制、外資の生産拠点の流出である。習政権が新たに示したのはイノベーション主導で高品質を追求する「新質生産力」の成長政策くらいだ。だが、イノベーションに不可欠な先端半導体技術を欠きながら、中国製造業が新たなステージに進むのは困難を極めるだろう。
「中国製造2025」は通常の五カ年計画とは切り離して、建国百年にあたる四九年をゴールとする「製造強国」への青写真だった。本来ならば、二五年段階での進捗を評価し、共産党主導の成果を高らかに宣伝するはずだったが、昨年七月の第二十期共産党中央委員会第三回全体会議(三中全会)でさらりと「新質生産力」にシフトした。
これから総括が出てくるだろうが、習総書記としてはあまり触れたくない歴史となったようだ。
「中国製造2025」は全体として幅広い・・・
「中国製造2025」は通常の五カ年計画とは切り離して、建国百年にあたる四九年をゴールとする「製造強国」への青写真だった。本来ならば、二五年段階での進捗を評価し、共産党主導の成果を高らかに宣伝するはずだったが、昨年七月の第二十期共産党中央委員会第三回全体会議(三中全会)でさらりと「新質生産力」にシフトした。
これから総括が出てくるだろうが、習総書記としてはあまり触れたくない歴史となったようだ。
「中国製造2025」は全体として幅広い・・・