ブルネイ「イスラム厳格統治」の醜悪
楽園から「恐怖の監獄」に転落
2025年3月号
かつて「東南アジアの隠れた楽園」と称されたブルネイ。しかし、今、その楽園が急激に恐怖の監獄と化している。石油と天然ガスに支えられた高福祉国家は、今や経済の行き詰まりと厳格なイスラム刑法の完全施行という、二重の危うさを秘めている。
ブルネイといえば、税金なし、教育費無料、医療費無料という夢のような国。国民は働かなくても生活に困らないという、まるでユートピアのような社会が広がっていた。ブルネイの国民一人当たりのGDPは約3万3000ドルで日本と肩を並べるほどだ。多くの国民は石油と天然ガスの恩恵を受け、表面的には豊かな生活を享受している。しかし、その裏では経済改革の停滞が続き、GDP成長率は横ばい。観光業を強化するも、売りは「大自然」のみで、一日もすれば飽きるレベルだ。国の財政を支える天然資源も、いつまで持つかわからない。
観光では自然体験を売りにしたレジャーを喧伝しているが、実際のところ、わざわざブルネイまで足を運ぶ価値があるのか疑問だ。狭い国土ゆえ、数日もすれば訪ねる名所は尽きる。しかも、移動はほぼタクシー頼み。そのタクシー代も日本並みの料金がかかり、お手軽な価・・・
ブルネイといえば、税金なし、教育費無料、医療費無料という夢のような国。国民は働かなくても生活に困らないという、まるでユートピアのような社会が広がっていた。ブルネイの国民一人当たりのGDPは約3万3000ドルで日本と肩を並べるほどだ。多くの国民は石油と天然ガスの恩恵を受け、表面的には豊かな生活を享受している。しかし、その裏では経済改革の停滞が続き、GDP成長率は横ばい。観光業を強化するも、売りは「大自然」のみで、一日もすれば飽きるレベルだ。国の財政を支える天然資源も、いつまで持つかわからない。
観光では自然体験を売りにしたレジャーを喧伝しているが、実際のところ、わざわざブルネイまで足を運ぶ価値があるのか疑問だ。狭い国土ゆえ、数日もすれば訪ねる名所は尽きる。しかも、移動はほぼタクシー頼み。そのタクシー代も日本並みの料金がかかり、お手軽な価・・・