ロシアの「停戦後」は危うい
国民を襲う「ウクライナ症候群」
2025年3月号
米露両国が2月18日にリヤドで開いた高官協議で、ウクライナ戦争の停戦交渉を開始したことは、ロシアでは、「西側の対露包囲網の崩壊」(スルツキー下院国際問題委員長)、「米露雪解けの始まりで、外交史に残る偉業」(プシュコフ上院議員)などと称賛されている。
ウクライナ戦争の終結策を欧州やウクライナの頭越しに米露間で取引することはプーチン大統領の狙い通りであり、現時点では、功を焦るトランプ大統領がロシアに屈服した形だ。ロシアの保守系軍事ブロガーは、「米露の主導で戦争は終わり、ウクライナは降伏する。制裁は解除され、ロシアは繁栄する」と書き込んだ。
仮にこのまま停戦になれば、戦場ではロシアの勝利ながら、戦略的な勝利とは言えない。想定外の長期戦となり、膨大な死傷者を出して苦戦し、地上軍の装備は壊滅的打撃を受けた。停戦後は、政権が隠してきた膨大な犠牲や戦争犯罪の実態が帰還兵によって口コミで広がるだろう。
停戦後は、戦時経済から平時体制への転換を強いられ、反政府運動を弾圧する口実もなくなる。自ら破壊したウクライナ南東部の併合四州の復興も気の遠くなる難事業だ。無謀な特別・・・
ウクライナ戦争の終結策を欧州やウクライナの頭越しに米露間で取引することはプーチン大統領の狙い通りであり、現時点では、功を焦るトランプ大統領がロシアに屈服した形だ。ロシアの保守系軍事ブロガーは、「米露の主導で戦争は終わり、ウクライナは降伏する。制裁は解除され、ロシアは繁栄する」と書き込んだ。
仮にこのまま停戦になれば、戦場ではロシアの勝利ながら、戦略的な勝利とは言えない。想定外の長期戦となり、膨大な死傷者を出して苦戦し、地上軍の装備は壊滅的打撃を受けた。停戦後は、政権が隠してきた膨大な犠牲や戦争犯罪の実態が帰還兵によって口コミで広がるだろう。
停戦後は、戦時経済から平時体制への転換を強いられ、反政府運動を弾圧する口実もなくなる。自ら破壊したウクライナ南東部の併合四州の復興も気の遠くなる難事業だ。無謀な特別・・・