塩野義製薬「半官企業」の黄昏
「次の柱」がないまま崩落へ
2025年2月号
塩野義製薬は国産初の新型コロナ治療薬ゾコーバの開発に成功した。有力なHIV感染症治療薬のライセンス収入でも潤う。業績は好調だ。ところが株価は、ここ5えている現実がある。
昨年10月28日発表の2024年度第2四半期決算(上半期決算)で売上は2140億円、営業利益は759億円だった。特別な要因による収入増(250億円)の影響を除けば、それぞれ前期比4.1%、3.8%増である。ゾコーバ開発の成功で、配当を19年度の103円から160円に増額した。
塩野義の収支の最大の特徴は、HIV感染症治療薬のライセンス収入が1215億円(前期比27%増)あり、売上の57%を占めることだ。国内での医薬品売上は477億円(同51%減)、海外は283億円(同24%増)に過ぎない。
ライセンス収入のうち、1196億円(98%)は、英国のヴィーブヘルスケア社から受け取る経口のHIV感染症治療薬ドルテグラビルのライセンス料だ。13年に米国、14年にEU、日本で承認された。
ヴィーブ社は09年に英国のグラクソ・スミスクラインが主導し、米国のファイザーとの合弁企業として・・・
昨年10月28日発表の2024年度第2四半期決算(上半期決算)で売上は2140億円、営業利益は759億円だった。特別な要因による収入増(250億円)の影響を除けば、それぞれ前期比4.1%、3.8%増である。ゾコーバ開発の成功で、配当を19年度の103円から160円に増額した。
塩野義の収支の最大の特徴は、HIV感染症治療薬のライセンス収入が1215億円(前期比27%増)あり、売上の57%を占めることだ。国内での医薬品売上は477億円(同51%減)、海外は283億円(同24%増)に過ぎない。
ライセンス収入のうち、1196億円(98%)は、英国のヴィーブヘルスケア社から受け取る経口のHIV感染症治療薬ドルテグラビルのライセンス料だ。13年に米国、14年にEU、日本で承認された。
ヴィーブ社は09年に英国のグラクソ・スミスクラインが主導し、米国のファイザーとの合弁企業として・・・