「衆参ダブル選挙」は消えたのか
石破が抱えるいくつかの「火種」
2025年2月号
「党派を超えた合意形成を図るため、臨時国会に続き、与党、野党ともに、責任ある立場で熟議し、国民の納得と共感を得られるよう努めることが必要です」。通常国会が開幕した1月24日。石破茂首相は施政方針演説で、少数与党の現状を踏まえつつも、野党にも責任を共有するよう訴えた。国会閉会後に参院選を控え、野党に匕首をつきつける姿勢を示すのは当然のことだろう。
ただ石破が見据えるのは参院選だけなのか―。昨年12月28日の読売テレビの番組で衆参同日選に言及した。同日選の可能性を問われ「これはある。政府の予算、法律に国会が『だめ』といえば、国民に決めていただくのが憲法の仕組みだ」と強調。「参院と衆院の時期が同時ではいけないという決まりはない」とも述べた。年が明けても、政権の大黒柱である自民党の森山裕幹事長は「衆院選は常在戦場だ」と繰り返し、「解散した方がいいかな」と周囲に漏らした。
党内基盤が弱い石破にとって、解散をちらつかせることで「石破降ろし」を防ぐ狙いもある。昨年9月の総裁選で争い、非主流派に転落した面々は静かに牙を研ぐ。高市早苗前経済安全保障担当相は地方行脚を繰り返し、小林・・・
ただ石破が見据えるのは参院選だけなのか―。昨年12月28日の読売テレビの番組で衆参同日選に言及した。同日選の可能性を問われ「これはある。政府の予算、法律に国会が『だめ』といえば、国民に決めていただくのが憲法の仕組みだ」と強調。「参院と衆院の時期が同時ではいけないという決まりはない」とも述べた。年が明けても、政権の大黒柱である自民党の森山裕幹事長は「衆院選は常在戦場だ」と繰り返し、「解散した方がいいかな」と周囲に漏らした。
党内基盤が弱い石破にとって、解散をちらつかせることで「石破降ろし」を防ぐ狙いもある。昨年9月の総裁選で争い、非主流派に転落した面々は静かに牙を研ぐ。高市早苗前経済安全保障担当相は地方行脚を繰り返し、小林・・・