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政治

異端児・石破の自民解党的「大連立」

《政界スキャン》

2025年2月号

 正月早々、石破茂首相の「大連立」発言が物議を醸した。昨年末収録、1月1日放送のラジオ番組で、日本維新の会共同代表の前原誠司氏と、野田佳彦立憲民主党代表の名前を挙げて言った。
「中道政治を目指す意味で相通ずるものがある。長い友人で裏切られたことが一度もない」。そして「いよいよトップ同士が話さなければいけないという情勢になれば」と党首会談に意欲を示し、ベテラン政治評論家の質問に答える形で続けた。「大連立? 選択肢としてあり得るでしょうね」。
 大連立は、少数与党が過半数の不足分を補う数合わせとは違う。国会の最大勢力と第二勢力、今の議員数なら自民と立憲が組む。通常は戦争や大災害など、論戦する余裕のない非常時の体制だ。公明や他の野党も加わると、「一歩間違ったら大政翼賛会になる」(石破氏)危うさをはらむ。
 与野党から驚きと反発が起き、石破氏は6日の年頭記者会見で釈明を余儀なくされた。「今の時点で連立を考えているわけではないし、大連立を考えているわけでもない。可能性はあると言ったのであって、何のためにということが明らかにならなければ意味のないことだ」。よく聞けば否・・・

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