アリババ・馬雲「復権」の理由
米中経済戦争で行き詰まる習近平
2025年2月号
中国を代表するEコマースなどのデジタルプラットフォーム企業、アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が復権の道を歩み始めた。馬氏は2020年秋、金融行政に対する発言が原因で、習近平政権に敵対する人物として睨まれ、アリババの経営から遠ざけられて蟄居していた。電子決済、AI、自動運転など中国の先端技術の進化やデジタル経済が急減速したため、アリババの牽引力が必要になったことが復権の背景にある。同時にトランプ米大統領と親密な馬氏を、対立が深まる米中関係改善の突破口にしたいという習主席の思惑がある。
技術革新「停滞」の苦境
昨年12月10日、馬氏はアリババグループの金融部門で、電子決済の「支付宝(アリペイ)」などを運営するアントの創業20周年式典に出席し、スピーチを行った。「アントの発展は創業時からの社員の努力によるもの」と中国の電子決済を民間が切り拓いてきたことを強調した。さらに「今後20年間はAIの時代となる」と発展の方向性を示した。
アリババやそれを追って成長した京東(JD)、拼多多(ピンドゥド・・・
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昨年12月10日、馬氏はアリババグループの金融部門で、電子決済の「支付宝(アリペイ)」などを運営するアントの創業20周年式典に出席し、スピーチを行った。「アントの発展は創業時からの社員の努力によるもの」と中国の電子決済を民間が切り拓いてきたことを強調した。さらに「今後20年間はAIの時代となる」と発展の方向性を示した。
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