ミャンマー軍政「4年目」の衰弱
中国も支えきれない窮状
2025年2月号
中国外務省は1月下旬、ミャンマー国軍と中国国境の一部の少数民族武装勢力が「中国の仲介で停戦協定に署名した」と明らかにした。中国国境の北東部シャン州を起点に始まった抵抗勢力の一斉攻撃は各地に波及。国軍は次々と拠点を失っていき、昨年は国軍史上過去に例がない「地域司令部の陥落」という失態を演じた。中国政府はこれまで国軍と民主派勢力の間でバランスを取ってきたが、昨年夏以降、国軍を支える方向に転換した。本誌の発行時には結果が明らかになっているが、国軍はクーデターから4年を迎える2月1日、「非常事態宣言」の再延長に踏み切るだろう。国軍司令官のミンアウンフラインはなりふり構わず年内の総選挙実施に向けて邁進しており、中国の支援を受けて形ばかりの民政移管が行われる可能性が高い。
支配地域はわずか32%
ミャンマーが英国から独立してから、77周年を迎えた1月4日。政権の座を追われた民主派勢力が樹立した並行政府「国民統一政府(NUG)」の国防省は「2024年の軍事進捗報告書」と題する声明を発表した。
NUGはこれま・・・
支配地域はわずか32%
ミャンマーが英国から独立してから、77周年を迎えた1月4日。政権の座を追われた民主派勢力が樹立した並行政府「国民統一政府(NUG)」の国防省は「2024年の軍事進捗報告書」と題する声明を発表した。
NUGはこれま・・・