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アフリカを蝕む「クーデター頻発」

政治騒乱が増悪する理由

2025年2月号

 アフリカ大陸で軍事クーデターが頻発している。21世紀になってからの4年ほどで、国際的に報じられたものだけで約20件に達する。
 特に北緯10~20度の一帯にある国々では、そのほとんどで近年、未遂を含めたクーデター事件が起きている。「アフリカのクーデターベルト」という言葉も生まれた。
 デジタル経済の世界的拡大で、希少金属資源を筆頭に、アフリカの経済的価値にますます注目が集まる。軍事クーデターや政治騒乱は今後も増加する見通しだ。「未来の大陸」は、各国の国民ばかりでなく、進出企業にとっても非常に危険な大陸になりつつある。

24人で狙った「政権奪取」

 アフリカ大陸は地球上でユーラシア大陸に次いで大きな大陸だ。最東端ソマリアのハーフン岬から、最西端のセネガル・ダカールのアルマディ岬までは、直線距離で7200キロメートルある。日本の北海道・宗谷岬から鹿児島県・佐多岬(直線距離で約1900キロメートル)が、ざっと4つ弱、収まる計算である。
 アフリカ大陸を南北で見れば、チュニジアの最北端・・・

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