西欧諸国の凄まじき「貧困化」
民主主義社会の維持は一層困難に
2025年2月号
ヨーロッパで貧困問題が深刻化している。最近の統計では、欧州連合(EU)市民の4分の1が、自分たちは「貧困状態」に置かれていると考えている。
EUは東アジア、北米と並ぶ世界経済のエンジンだが、ドイツを筆頭とする加盟各国では、イノベーション(技術革新)が遅れ、デジタル経済の分野で米中に大差をつけられた。欧州が強かった製造業でも、インドや東南アジアなどの新興国に圧倒されている。「貧困」に陥る人の増加は、政治や選挙に直結するだけに、EU各国にとって、「貧困」が最優先で取り組むべき課題に浮上している。
国は豊かになったが貧困率は増加
EU最大の経済大国ドイツで、危険信号が灯っている。ドイツ国内のフードバンク(無償食事提供活動)で最近、利用者が激増し、各地で入場を制限する事態になっているからだ。
「どこも開店と同時に人が押し寄せる。大都市のフードバンクでは、順番待ちの番号制を導入せざるを得なくなった」と、ミュンヘン拠点のドイツ紙社会部記者は言う。この記者はまた、「フードバンクに並ぶのは、ごく普通・・・
EUは東アジア、北米と並ぶ世界経済のエンジンだが、ドイツを筆頭とする加盟各国では、イノベーション(技術革新)が遅れ、デジタル経済の分野で米中に大差をつけられた。欧州が強かった製造業でも、インドや東南アジアなどの新興国に圧倒されている。「貧困」に陥る人の増加は、政治や選挙に直結するだけに、EU各国にとって、「貧困」が最優先で取り組むべき課題に浮上している。
国は豊かになったが貧困率は増加
EU最大の経済大国ドイツで、危険信号が灯っている。ドイツ国内のフードバンク(無償食事提供活動)で最近、利用者が激増し、各地で入場を制限する事態になっているからだ。
「どこも開店と同時に人が押し寄せる。大都市のフードバンクでは、順番待ちの番号制を導入せざるを得なくなった」と、ミュンヘン拠点のドイツ紙社会部記者は言う。この記者はまた、「フードバンクに並ぶのは、ごく普通・・・