三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

社会・文化

《日本のサンクチュアリ》日本モーターボート競走会

日本財団の資金源が「無法地帯」に

2025年1月号

 スマートフォンの普及やコロナ禍を追い風に、公営ギャンブルの売り上げが伸びている。中でも、ボートレース(競艇)は二〇二三年度まで三年連続で売上高の過去最高を更新し、二兆四千億円を超えた。若者に訴求する芸能人を使ったCMと、的中しやすさのアピールといったイメージ戦略が奏功。赤字の競艇場が自治体の予算に繰り出しできず、お荷物となっていたバブル後の低迷期は過去の話となった。
 競艇の売り上げの約三%は日本財団に交付され、これまでの累計額は一九五二年からの約七十年間で二兆三千億円を超える。この交付金を財団がさまざまな「公益事業」に助成してきた。日本財団と言えば、「大物右翼」「政界のフィクサー」と呼ばれた笹川良一氏が前身の日本船舶振興会を設立。財団の豊富な資金力が政界に影響力を持つ源泉となったことは広く知られたところだ。会長職は良一氏から作家の曽野綾子氏に引き継がれ、現在は良一氏の三男・陽平氏が務めている。
 日本財団への交付金は主催するレース施行者(地方自治体)から納められることになっているが、使用されるボートやモーター、審判の登録、選手のあっせんなどレースに必要な事務の一・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます