米国株「総楽観」に潜む危機
二五年「バブル相場」の展望
2025年1月号
「そろそろ危ないか」「いや、まだイケそうだ」。この繰り返しで、米国の株式市場は歴史的なバブルになりつつある。「AIバブル」に加えて足元の「利下げ」や「トランプ氏の再選」で、経営者、消費者、投資家など経済全体が「楽観」に傾いている。一方で今の状況は「不安を抱えた強気」であることも窺え、「総楽観」は危うさを孕む。現状を分析し二〇二五年の市場を展望してみよう。
現在の米国株投資全体に占める外国人投資家の比率は六〇%弱まで上昇し、過去最高を更新し続ける。日本人を含めた海外マネーが米国株を買ってくれるおかげで、ドル高、米株高となり、米国の家計は潤っている。家計が保有する金融資産に占める株式の比率は五割に近く過去最高。これが資産効果となり、米国景気を下支えし、バブル的好循環をつくっている。
米国株が二三年から二四年にかけて上昇してきた根拠で大きいのは一株当たり利益(EPS)の成長よりも株価収益率(PER)の拡大だ。「三年連続のPER拡大相場はない」と考えるのが自然だが、変数の多い第二次トランプ政権の開始で、市場は都合の良い解釈をして相場を正当化するだろう。だが、もはや「新大・・・
現在の米国株投資全体に占める外国人投資家の比率は六〇%弱まで上昇し、過去最高を更新し続ける。日本人を含めた海外マネーが米国株を買ってくれるおかげで、ドル高、米株高となり、米国の家計は潤っている。家計が保有する金融資産に占める株式の比率は五割に近く過去最高。これが資産効果となり、米国景気を下支えし、バブル的好循環をつくっている。
米国株が二三年から二四年にかけて上昇してきた根拠で大きいのは一株当たり利益(EPS)の成長よりも株価収益率(PER)の拡大だ。「三年連続のPER拡大相場はない」と考えるのが自然だが、変数の多い第二次トランプ政権の開始で、市場は都合の良い解釈をして相場を正当化するだろう。だが、もはや「新大・・・