英国画家ターナーの絶えざる魅力
「生誕二百五十年」本邦展覧会はゼロ
2025年1月号
二〇二五年はジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(一七七五-一八五一年)という、英国の誇る偉大なロマン主義風景画家の生誕二百五十年にあたる。彼は産業革命期の英国で、帆船が蒸気船に、また蒸気機関車と鉄道が急速に発展する時代と、そしてやはりジャーナリズムや小説が発展する時代を真摯に見つめた画家であった。二五年は英国各地で様々な展覧会が予定されているものの、残念ながら日本国内では予定されていない。
そもそもターナーの主要な作品は画家自身の遺贈により、ほぼ全てロンドン・ナショナル・ギャラリーとテート・ブリテン美術館に所蔵されていることに加え、市場でも人気が高く、水彩画一点が二〇一四年七月のオークションで一億二千七百万円、油彩画にいたっては同じく一四年十二月のオークションで過去最高額の約五十七億円(当時の為替レートによる)の落札価格が付けられた。これでは日本の美術館は手が出せない。国内では郡山市立美術館や東京富士美術館など、いくつかの美術館に収蔵されているが、非常に数が少ないため、残念なことに日本国内の所蔵品だけでは展覧会は実現できない。
印象派を先取りする作風・・・
そもそもターナーの主要な作品は画家自身の遺贈により、ほぼ全てロンドン・ナショナル・ギャラリーとテート・ブリテン美術館に所蔵されていることに加え、市場でも人気が高く、水彩画一点が二〇一四年七月のオークションで一億二千七百万円、油彩画にいたっては同じく一四年十二月のオークションで過去最高額の約五十七億円(当時の為替レートによる)の落札価格が付けられた。これでは日本の美術館は手が出せない。国内では郡山市立美術館や東京富士美術館など、いくつかの美術館に収蔵されているが、非常に数が少ないため、残念なことに日本国内の所蔵品だけでは展覧会は実現できない。
印象派を先取りする作風・・・