ワインを襲う 「気候変動」の猛威
生産量「乱高下」農作物の宿命
2025年1月号
ワインは自然の産物だとつくづく思わされる。二〇二四年の世界のワイン生産量は一九六一年以来の最低水準に落ち込む見通しだ。気候変動が南北両半球の大半の地域に打撃を与えた。国際ブドウ・ワイン機構(OIV)の予想によると、二億二千七百万ヘクトリットルから二億三千五百万ヘクトリットルと見込まれている。悪天候だった二三年よりさらに二%減少するという。ヨーロッパの落ち込みが激しい。フランスは二三年より二三%減少して三千六百九十万ヘクトリットルとなる。世界トップから二位に転落した。
原因は気候変動だ。フランスでは春以降、全土で雨が降り続いた。「一日晴れたと思ったらすぐに雨。一週間晴れ続けた記憶がない」と、ブルゴーニュの造り手はこぼしていた。雨が降ると受粉がうまくいかず開花が不順になる。結実不良や花ぶるいが多発し、実をつけるブドウが減る。カビが引き起こすべと病やうどんこ病も各地で広がった。生産面積の広いボルドーにはいまだ農薬を使うシャトーも少なくないからカバーできるが、オーガニック栽培やビオディナミを導入しているブルゴーニュの多くのトップドメーヌはそうもいかない。認可されているボルドー液や・・・
原因は気候変動だ。フランスでは春以降、全土で雨が降り続いた。「一日晴れたと思ったらすぐに雨。一週間晴れ続けた記憶がない」と、ブルゴーニュの造り手はこぼしていた。雨が降ると受粉がうまくいかず開花が不順になる。結実不良や花ぶるいが多発し、実をつけるブドウが減る。カビが引き起こすべと病やうどんこ病も各地で広がった。生産面積の広いボルドーにはいまだ農薬を使うシャトーも少なくないからカバーできるが、オーガニック栽培やビオディナミを導入しているブルゴーニュの多くのトップドメーヌはそうもいかない。認可されているボルドー液や・・・