「日東駒専」と呼ばれる都内の私立大学の中で、受験者数が目に見えて増え、偏差値も上昇傾向にあった東洋大学が文部科学省のルールを無視した「無節操入試」を断行。同省から指導を受けたうえ、私立大学業界で袋だたきに遭った。

志願者数の落ち込み

　年明けにしか許されない学力試験を「基礎学力も調べる推薦型」と称して十二月一日に実施したからだ。他の都内の私大は志願者の急減や合格者の入学手続き率の変動など煽りを受けており、「首都圏でルール破りが常態化しかねない」と文科省関係者は頭を抱える。
　この数年、大学入試の主軸が年明けの学力試験から年内の推薦型入試に劇的にシフトしている。十八歳人口の減少による受験者減を食い止めるため、高校生にとって気楽な推薦入試で囲い込もうという戦略だ。私立大学の多くが翌年四月入学者の過半を年内で固め、「Ｆラン」と呼ばれる底辺大学では入学者のほとんどが推薦型入試というケースもある。国立でも東京大学や筑波大学などが推薦型入試での合格者を年々増やしている。
　東洋大が実施したのは「学校推・・・