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経済

野村證券「犯罪体質」は治らない

顧客強盗後も経営陣は「能天気」

2025年1月号

「凶悪さには驚くが、野村社員という点では合点がいく」。ある証券会社幹部は野村證券元社員の顧客への強盗殺人未遂事件について突き放すように話す。「これまでも不正行為の抑止に向けた対策を講じてきた」という野村の会見での弁明は、歯止めなく続く社員の犯罪という黒い過去の裏返しともいえる。「貯蓄から投資へ」の担い手が顧客に襲い掛かり餌食にする事態。野村證券の事件をきっかけに顧客は証券、金融だけでなく百貨店の対面営業も怖れ始めている。だが野村の対応は甘く、幹部は他人事のように平然としている。

野村独特の恥知らずな体質

 驚愕の事件である。すでに報じられているように、野村證券の元社員、梶原優星被告(29)は、2024年7月28日に得意客宅を営業を装って訪問。顧客の80代夫婦に睡眠剤を飲ませて昏睡状態にした。2階の押し入れに保管していた1787万円の現金を窃取し、家に火を放った。
「放火したのは殺害が目的ではない」と弁明しているというが説得力は乏しい。広島地検は強盗殺人未遂と現住建造物等放火の罪で起訴した。
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