病院「大倒産時代」の暗雲
都市部で増える「診察難民」
2025年1月号
我が国の大病院からクリニック・診療所まで、厳しい経営が加速している。医師・看護師不足に加え、診療報酬抑制、物価高や円安によるコスト上昇が重なっているためだ。深刻なのは、物価が高い東京をはじめとした都市部だ。大病院は持ち堪えられても、経営難で近所のクリニックが倒産し、次々と消えてしまう事態もあり得る。医療崩壊にも繋がりかねない。
公立も私大病院も経営悪化
2024年11月、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会が発表した「病院経営定期調査」の結果が、関係者に衝撃を与えた。
三団体に加盟する病床20床以上の病院を対象にした調査で1116の医療機関にアンケートをした。その結果、23年度、黒字の病院は半数以下の46.6%しかなかったのだ。経常収益は平均3722万円の赤字で前年度の1億3344万円の黒字から大幅に悪化した。
最大の理由は、コロナ補助金の削減である。しかし、それを除外しても、23年度は赤字が前年度から726万円(9.4%)増え、8426万円となった。コロナ補助金がなければ・・・
公立も私大病院も経営悪化
2024年11月、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会が発表した「病院経営定期調査」の結果が、関係者に衝撃を与えた。
三団体に加盟する病床20床以上の病院を対象にした調査で1116の医療機関にアンケートをした。その結果、23年度、黒字の病院は半数以下の46.6%しかなかったのだ。経常収益は平均3722万円の赤字で前年度の1億3344万円の黒字から大幅に悪化した。
最大の理由は、コロナ補助金の削減である。しかし、それを除外しても、23年度は赤字が前年度から726万円(9.4%)増え、8426万円となった。コロナ補助金がなければ・・・