セブン伊藤家が陥った「罠」
策士・カナダ企業の「深謀と本心」
2025年1月号
カナダの小売り大手、アリマンタシォン・クシュタール(ACT)からの買収提案に揺れるセブン&アイ・ホールディングス(HD)。対抗策として創業家出身の伊藤順朗副社長、つまり伊藤家を中心とするMBO(経営陣が参加する買収)の準備を進めているが、「八兆円とも九兆円とも言われる金策がいまだに成就せず、悪戦苦闘が続いている」(銀行関係者)とされる。
伊藤家らは窮余の策として、KKRやベインキャピタル、ブラックストーンといった米PE(プライベート・エクイティ)ファンドにも資金を融通してもらえないかと声をかけたが、これもどうやら今のところ裏目に出ているようだ。伊藤家とともにMBOの中核をなす予定の伊藤忠商事が、「外資からセブン&アイを守るという大義名分に賛同してカネを出す手伝いをしようとしているのに、なんで外資系PEにも出資を頼むんだ、とへそを曲げている」(交渉関係者)からだ。
こうしてMBO計画が迷走気味のなか、不気味なほど沈黙を保っているのが大騒動のきっかけを作ったACTだ。買収価格を一株あたり14.86ドルから18.19ドルに引き上げて以降は、伊藤家の狼狽ぶりを眺めるだ・・・
伊藤家らは窮余の策として、KKRやベインキャピタル、ブラックストーンといった米PE(プライベート・エクイティ)ファンドにも資金を融通してもらえないかと声をかけたが、これもどうやら今のところ裏目に出ているようだ。伊藤家とともにMBOの中核をなす予定の伊藤忠商事が、「外資からセブン&アイを守るという大義名分に賛同してカネを出す手伝いをしようとしているのに、なんで外資系PEにも出資を頼むんだ、とへそを曲げている」(交渉関係者)からだ。
こうしてMBO計画が迷走気味のなか、不気味なほど沈黙を保っているのが大騒動のきっかけを作ったACTだ。買収価格を一株あたり14.86ドルから18.19ドルに引き上げて以降は、伊藤家の狼狽ぶりを眺めるだ・・・