東証グロース市場「大掃除」の勧め
上場に能わぬ企業が多すぎ
2025年1月号
「本来、経営者として尊敬されるべきは、上場後にしっかり株価を伸ばしている企業のはずだが、現在の業界の風潮としてはそうなっていない。成長できていなくても『上場企業の経営者』ということでちやほやされている」(非上場企業経営者)
「上場後から、機関投資家のターゲットとなる規模に成長するまでの期間は、ベンチャーキャピタル(VC)が抜ける一方で、機関投資家も入っていないので、周りに刺激を与えてくれる人が誰もいなくなる。想像している以上にもてはやされるので『お山の大将』になってしまい、高いモチベーションを維持するのが本当に大変だった」(上場企業経営者)
このような赤裸々な言葉が並んだ「グロース市場における今後の対応」という資料を十二月十日に東京証券取引所が開示し、話題を呼んでいる。2024年3月にいわゆる「PBR一倍(割れ改善)要請」として知られる「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表した東証が、次の改革の柱の一つとして掲げているのがグロース市場改革だ。「今回の資料開示で世間からの好評を得て追い風とし、グロース市場の上場企業数を減らすための施策を導・・・
「上場後から、機関投資家のターゲットとなる規模に成長するまでの期間は、ベンチャーキャピタル(VC)が抜ける一方で、機関投資家も入っていないので、周りに刺激を与えてくれる人が誰もいなくなる。想像している以上にもてはやされるので『お山の大将』になってしまい、高いモチベーションを維持するのが本当に大変だった」(上場企業経営者)
このような赤裸々な言葉が並んだ「グロース市場における今後の対応」という資料を十二月十日に東京証券取引所が開示し、話題を呼んでいる。2024年3月にいわゆる「PBR一倍(割れ改善)要請」として知られる「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表した東証が、次の改革の柱の一つとして掲げているのがグロース市場改革だ。「今回の資料開示で世間からの好評を得て追い風とし、グロース市場の上場企業数を減らすための施策を導・・・