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政治

石破も野田も「大連立」を捨ててない

《政界スキャン》

2025年1月号

 石破茂首相はペースをつかみつつあるのかもしれない。12月の臨時国会中は午後の会議中、何秒間かの居眠りに陥ることもあったが、当時は連日午前5時に起床し、秘書官らと答弁の打ち合わせをしていたので多少は目をつむろう。不安視された健康状態は、周囲の気遣いもあって顔色がめっきり良くなった。だが、元気を取り戻したのは、何より国会で紙を読まずに得意の弁舌をふるう機会が増えたことが大きい。
 説明の仕方にこだわりを持っている。打ち合わせでは官僚の文案に「これで国民に分かるかな」と結構注文を出す。国会で質問を重ねられ「役人みたいな言い方をしてすみません。恐縮でございます」と謝ったこともある。
 答弁で開口一番、相手の意見に賛同する場面も目立った。「おっしゃることには全て同意でございます」「おっしゃることは、なるほどと考えております」。こんな首相は長年見たことがない。野党は気勢をそがれ、いつしか石破ペースにのまれていた。自民の「反石破」勢力も、「選挙の結果は全て私の責任でございます」と謝られたら二の句が継げない。
 かみ砕いて低姿勢な分、言葉数や答弁時間は長い。国会では岸田・・・

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