フィリピン「醜悪政争」の行方
「ドゥテルテ王朝」復活への暗闘
2025年1月号
マルコス大統領夫妻らに対する「殺害予告」を巡り、フィリピン国家捜査局(NBI)による捜査と下院での弾劾手続きが進むサラ・ドゥテルテ副大統領がマルコスと決別し、全面対決の構えを見せている。2028年の大統領選に向け、政界では早くも水面下の駆け引きが続く。溝が深まるマルコス、ドゥテルテ両陣営の力量がまず試されるのが、25年5月の中間選挙だ。サラと、父ドゥテルテ前大統領の人気は根強く、次期大統領選で「フィリピンのトランプ」が返り咲く可能性は少なくない。
「私たちは立件されると信じている。最悪のシナリオは、罷免、弾劾、そして弁護士らが既に予想している山積みの訴訟だ。だが、私に何が起ころうと、私は平静だ」
12月11日、サラは自身への包囲網が狭まっているにもかかわらず、記者会見で強気の姿勢を崩さなかった。サラはこの日、NBIからの出頭を命じられていたが、「公正な捜査は期待できない」と応じず、弁護士を通じて書簡を提出した。NBIのハイメ・サンティアゴ長官が読み上げた書簡によると、サラは「国家の重大な脅威や反テロリズム法違反に分類されるような、いかなる脅迫も行っていない」と容・・・
「私たちは立件されると信じている。最悪のシナリオは、罷免、弾劾、そして弁護士らが既に予想している山積みの訴訟だ。だが、私に何が起ころうと、私は平静だ」
12月11日、サラは自身への包囲網が狭まっているにもかかわらず、記者会見で強気の姿勢を崩さなかった。サラはこの日、NBIからの出頭を命じられていたが、「公正な捜査は期待できない」と応じず、弁護士を通じて書簡を提出した。NBIのハイメ・サンティアゴ長官が読み上げた書簡によると、サラは「国家の重大な脅威や反テロリズム法違反に分類されるような、いかなる脅迫も行っていない」と容・・・