シリアの混沌に終わりなし
「次なる内乱」の火種が多数
2025年1月号
50年にわたり圧政を敷いてきたアサド政権の崩壊に、シリア国民は歓喜の声を上げた。しかし、独裁体制の転覆がもたらす結果が必ずしも平和と繁栄でないことは、中東の歴史が何度も証明している。アサド政権の終焉は、シリアを混沌へと導く序章に過ぎない。
電撃的な進軍でアサド政権を崩壊させたシャーム解放機構の指導者ジャウラニは、表舞台から身を引き、新たに作った暫定政府の実権をシリア救国政府のムハンマド・バシール首相に託した。この動きは、ジャウラニが新政府のイメージを「過激派」から脱却させるための慎重な戦略とみられる。だが、戦闘服からスーツ姿へと転身し、外交舞台の中心にいるのは、常にジャウラニだ。
暫定政府の立ち上げを受け、アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーン、カタールといった湾岸諸国がいち早く接触を開始している。中東のメディア関係者によれば、「バーレーンは新政府に対し、他組織との調整に前向きであると伝えたようだ」。シリアを利用した地政学的な優位性を確保しようとする各国の競争が始まった。
トルコとムスリム同胞団の結託{b・・・
電撃的な進軍でアサド政権を崩壊させたシャーム解放機構の指導者ジャウラニは、表舞台から身を引き、新たに作った暫定政府の実権をシリア救国政府のムハンマド・バシール首相に託した。この動きは、ジャウラニが新政府のイメージを「過激派」から脱却させるための慎重な戦略とみられる。だが、戦闘服からスーツ姿へと転身し、外交舞台の中心にいるのは、常にジャウラニだ。
暫定政府の立ち上げを受け、アラブ首長国連邦(UAE)やバーレーン、カタールといった湾岸諸国がいち早く接触を開始している。中東のメディア関係者によれば、「バーレーンは新政府に対し、他組織との調整に前向きであると伝えたようだ」。シリアを利用した地政学的な優位性を確保しようとする各国の競争が始まった。
トルコとムスリム同胞団の結託{b・・・