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西欧民主主義「正念場」の1年

極右と極左「氾濫」が止まらず

2025年1月号

 西欧各国の民主主義諸政党が大きな危機を迎えた。極右か極左、またはその双方が各国の議会で台頭し、第2次世界大戦後の西欧民主政治を支えた中道勢力は、窮地に陥っている。多くの国が、極右または極左政党の協力なしには議会多数派を形成できない状況だ。
 欧州連合(EU)加盟の27カ国で見ると、イタリア、オランダ、スウェーデンなど7カ国ですでに、極右政党が政府中枢を握るか、連立に加わっている。

独は総選挙、仏は1年で首相4人

 さらにフランスのように、左右の「極」政党から閣外協力の約束を取り付けられないまま、少数派内閣樹立を強いられた国もある。西欧の穏健中道の民主主義は、左右の挟撃でいつのまにか崖っぷちに立たされている。
 まるで第2次世界大戦前の西欧政治を再現したような光景だ。各国の両極の政党指導者たちからは、「安定政権のためには我々を閣内に入れろ」という圧力が日増しに強まっている。
 極左と極右を加えずに、政府が組めるのか?
 ドイツでは全土で、この問題が問われている。オラフ・・・・

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