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連載

新大学評判記 第60話

岡山理科大学獣医学部 安倍「加計問題」の惨めな結末

2024年12月号

 兇弾に倒れた故安倍晋三元首相への忖度事案と言われた岡山理科大学獣医学部(今治キャンパス)が今年三月、初めての卒業生を送り出した。だが、獣医師国家試験の合格率は六七・五%と全国最低レベル。納得感のある結果だが、合格した卒業生の大半は四国外に流出し、文部科学省が認可理由に挙げた「地方の獣医師不足解消」への貢献は、初年度はなかった。空前のペットブームの中、大都市圏で高収入のおしゃれなペットクリニックを増やすだけ、という冷めた声が関係者から出始めた。
 三月十三日に合格発表があった獣医師国家試験に岡山理科大獣医学部からは百十四人が受験、七十七人が合格した。この数字について大学業界では、「初年度の卒業生で七〇%近い合格率なら悪くはない」と擁護する意見が少なからずあった。確かに全国十七の獣医学部の二〇二四年度の大学別合格率では、岡山理科大を下回った大学が一校だけあったからだ。
 その一校は東京大学。二十三人が受験し、十四人しか通らず、合格率は六〇・九%。例年よりかなり低いが決して意外な結果ではない。東大の獣医系は研究者や行政官養成が目的で、獣医師国家試験は当座、必要はないもの・・・

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