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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》匿名・流動型犯罪グループ

警察は「治安悪化」に打つ手なし

2024年12月号

 二〇二四年の新語・流行語大賞にノミネートされた「トクリュウ」。正式には警察が「匿名・流動型犯罪グループ」と呼ぶ集団の台頭が、日本の新たな治安の脅威となっている。各地で相次ぐ高齢者宅を狙った強盗事件は、多くの国民を不安に陥れ、体感治安の悪化を招いている。トクリュウは長らく、水面下で勢力を拡大し、狡猾さと凶暴性の牙を研ぎながら、巧妙に資金獲得活動を進めてきた。警戒を強める警察当局をあざ笑うかのように、匿名性と流動性を武器にして捜査の手をかいくぐっており、その勢いは今後も拡大する。
 首都圏を中心に相次ぐ強盗事件の標的は、その多くが戸建てに住む高齢者だ。窓を割って侵入し、住民を粘着テープなどで緊縛するなどの手口が共通している。ハンマーやバールで暴行を加える凶暴性を持ち合わせており、十月にはついに、横浜市青葉区の住宅に暮らす七十五歳男性が殺害される事件まで起きた。
 実行役のほとんどは、闇バイトで集められた若者。反撃されて取り押さえられたり、取り調べで泣きじゃくりながら反省の弁を述べたりと、「捕まえてみると根性の据わっていない、いわゆるひ弱な奴らが多い」(捜査関係者)とい・・・

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