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政治

連立再編「石破の決断」

「玉木か野田か」を巡る政争

2024年12月号

 一人で歩くのが困難になると、誰かの肩を借りる。左右どちらから支えてもらうかで紛糾しながらも、常に権力の中心を歩いてきたのが自由民主党という政党だ。そもそも誕生の経緯からして、単独で歩けなくなった自由党と日本民主党が肩寄せ合った一九五五年の「保守合同」だ。近年、公明党の肩に頼るあまり足腰が衰えた自民党では今、路線対立含みの新たな支え手探しが始まっている。
 十一月十九日、日本外国特派員協会での有識者らによる提言「日本再生へのチャレンジ」の発表記者会見に、総理大臣で自民党総裁の石破茂と立憲民主党代表の野田佳彦が、メッセージを寄せた。
 提言は「日本パブリックリレーションズ学会」(会長・井之上喬)の「失われた三十年検証研究会」が二〇二二年から重ねたヒアリングを基にしたもので、選挙制度改革や国会改革など、石破や野田の関心事も多い。二人はそれぞれ党首就任前に、同研究会に出席してもいる。メッセージの中で石破は研究会の取り組みに「敬意」を、野田は「感謝」を伝えた。
 ともに一九五七年生まれで、政治家としてのデビューも石破が八六年に衆議院、野田が八七年に千葉県議会とほぼ・・・

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